
2. 米国製造業のグローバル化戦略
今回訪問した全ての企業から言われたキーワードは、「世界企業」つまり世界市場において通用する企業の構築ということであった。そこで、ここでは米国製造業のグローバル化戦略というタイトルで総括する。
2. インターネット/インドラネット戦略
1995年の後半からインターネットおよびイントラネットの導入が急速に進んだ背景を調査してみると、企業組織のフラット化とエムパワーメント(権限の委譲)に密接に関係していることである。さらに、生産活動のフレキシビリティ(柔軟性)およびクイック・レスポンス(即応性)の向上に向けてのC1M(コンピュータ・インテグレーテッド・マニファクチャリング)の再構築を、フレキシブルCIMとかラピッドCIMというキーワードで推進している。
(1)社内外の透明性の確保のためのインターネット戦略
マスプロ生産からマスカスタマイズ生産に転換するために、企業組織をチーム主体のフラットオーガニゼーションに変革して権限委譲をした場合の最大の課題は、企業のトップマネージャーが如何にして業務および偶人の仕事の進捗状況を監視管理していくかである。この課題に対するソリューションを今回の視察で把握できたと考える。ヒューレット・パッカード社、タンデム・コンピューターズ社、リーバイストラウス社などの具体的な事例については個々に報告(参考資料1、2)するのでここでは概要を簡単に説明する。
自社内では、イントラネットを導入して個人個人のホームページを設定し、偶人のワークフローの管理と管理者とのコミュニケーションをそのホームページを介して行っている。その仕組みは、CALS−SGML(スタンダード・シェネラライズド・マークアップ・ランゲージ)(世界標準のハードやソフトに依存しない人間以外でも扱えるドキュメント用の言語)の一つの応用分野の最新バージョンであるHTML(ハイパー・テキスト・マークアップ・ランゲージ)を、WWWサーバとしてのNetscapeなどを導入することによって構成し、文書だけではなくて音声、図面、動画やビデオなどの情報交換にまで発展している。さらに、社外のパートナー企業についてもインターネットを介して、業務の透明性を相互のコミュニケーションによって確保しながら、業務のスピードアップをはかっている。そして交換データがCADデータになると、クライスラー社やデーナ社が実施しているようなCALS−STEP(スタンダード・フォー・ジ・エクスチェンジ・オブ・プロダクト・モデル・データ)の導入ということになる。
(2)グローバルEDI/エレクトロニック・データ・インターチェンジ)化
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